愛犬が変わるたった一つの方法

あなたが変われば愛犬が変わる。BSKが綴る「飼い主さん矯正マニュアル」

皮膚トラブルの軽減のための“腸荒れ対策”の食事とは?

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前回、腸の荒れが皮膚トラブルの要因のひとつになっている可能性があるというお話をしました。

 


 

では、腸の荒れはなぜ起こり、どうしたら改善できるのでしょうか?

今回は、日々の暮らしの中で取り組める具体的な解決策についてをお伝えします。

 

腸の荒れが起こる理由

 

前回もお話ししたように、日常の生活習慣に関係していることとしては、食べ過ぎや間食などによって腸が休む暇なく酷使されていることが挙げられます。

過労や寝不足で疲れ切っているときにお化粧したまま寝ちゃったら肌荒れしてしまうのと同じように、腸も疲れて荒れてしまっているなら休ませる必要があるのです。

 

でも、そもそも消化吸収するための器官だというのに、本来の働きをして疲れてしまうとは、どういうことなのでしょうか?

 

それは現代社会の食生活に原因があると考えられます。

例えば日本人は江戸時代あたりまでは一日2食だったと言います。

戦後、欧米文化が入ってくるにつれて3食食べるのが当たり前になり、市民がすべてお腹を空かせることなく暮らせるようになりました。

人間の暮らしが豊かになるにつれ、愛犬たちも十分に栄養の摂れるドッグフードを一日2回、オヤツまで食べさせてもらえるようになりました。

しかし、一見規則正しく豊かに見えるこの暮らしは、体にとってはとても急激な変化で不自然なことでもあるのです。

 

体は飢え仕様でできている

 

本来、動物の体は飢えに耐えうることを前提として様々な機能が備わっています。

自然界で生きる動物たちは、オールシーズン食べ物が潤沢にあることのほうが少なく、植物の育成が気候に左右されたり、時期によって獲物が捕えられなかったりもします。

地球に生物が誕生してから、長い年月をかけて飢えに耐えうる仕様で体の仕組みが出来上がり、絶妙なバランスで種の保存がされています。

足りない栄養素を変換して必要な栄養素として使えるようにしたり、体脂肪を分解してエネルギーに変えたりするのも、飢えをベースにした働きのひとつと言えます。

空きっ腹な時間があることを前提に稼働していたのに、このたった数十年の間に劇的な変化をし、常に胃腸の中に食物が入っている状態になってしまったのです。

 

さらに、消化吸収はエネルギーをかなり消費するので、体のメンテナンスにかけるエネルギーが消化吸収へと回ってしまい、体全体の治癒活動も鈍ります。

腸を酷使することは、皮膚トラブルの要因になる腸の荒れを引き起こすだけでなく、治癒を遅らせ、ますます悪循環になってしまうのです。

 

具体的な腸の荒れの改善策
①間食をやめる

 

まず、何よりここから始めてみてください。

残念な人もいるかもしれませんが、そもそも犬にオヤツは必要ありません。

 

しつけのトリーツ(ご褒美)にオヤツ
お留守番前の置きオヤツ
お留守番おりこうにできたからオヤツ
飼い主さんの気分でオヤツ
食後のオヤツ・・・etc

 

与えれば愛犬も喜びますが、これでは常に胃腸を動かしている状態で休まりません。

完全に飼い主さんの与えたいという気持ちだけで成り立っている習慣ですので、腸の健康作りに取り組むのであれば、間食は控えて十分に胃腸に休息を与えられるようにしましょう。

また、オヤツ類には思わぬ添加物が含くまれていることも多く、フードにはこだわっているのに粗悪なオヤツを与えているせいで皮膚トラブルがまるで改善しないというケースも過去にありました。

 

具体的な腸の荒れの改善策
②食事の回数を減らしてみる

 

犬たちの体は、今でも飢え仕様です。

基本的にある時にあるだけ食べておこうとしますが、今は規則正しく朝晩2回もらえる環境で常に満たされている状態です。

そんな中でたまに愛犬が元気にもかかわらず、いつものように食べない日があったりします。

これは自分で食べ過ぎを感じて、断食して体を休ませているようです。

このような休胃日を、意識的に月に1~2度作るというのも良いと思います。

なんとなくかわいそうな気もしますが、胃腸はしばしの休息を得て、それ以外の体の機能が活性化されるので、愛犬のためになります。

人間の場合もこうしたプチ断食は、胃腸はもちろん肝臓なども休ませることができ、
その分、メンテナンスにエネルギーが回せますので美容や老化防止、五感の活性化にも
効果があるそうですから、愛犬と一緒に一日1食の日を過ごすのもいいかもしれませんね。

 

具体的な腸の荒れの改善策
③食事内容を消化の良いものにする

 

犬はもともとよく噛まないで食べるのが普通で、歯の形や胃酸の強さなどもよく噛まないことが前提になっています。

でも皮膚トラブルの子には、なるべく消化しやすいものをチョイスした方が良いようです。

 

ドッグフードの場合

一般的なドッグフードは揚げてあるものが多く、水に浸けてもスポンジのようにブヨブヨと膨らむばかりで、形はなくなりません。

元の粒の大きさの何倍も大きくなるので、胃が急激に膨らみます。

満腹感が得られるという利点もある一方で、胃への負担が大きいというデメリットもあります。

 

BSKフードのように油で揚げていないタイプの中で、水に浸けると泥状に完全に形がなくなるものが消化が良いと言えます。

油で揚げていないフードは皮膚トラブル対策としても良い効果が出ています。

 

ドッグフード選びは、原材料にばかり目が行きがちですが、こうした製法によっても負担のかかり方が変わってきます。

 

手作り食の場合

手作り食は皮膚トラブルの時には良い面がたくさんあってオススメです。

何より水分摂取量が多くなるので排泄が促されます。

皮膚トラブル対策として与える場合は、消化を助けるために野菜やお米などの食材はすごく細かく刻むか、ペースト状にするといいです。

 

具体的な腸の荒れの改善策
④スーパーフード本葛を取り入れる

 

食養に詳しい獣医さんにおすすめの食材を伺ったところ、腸の荒れには「本葛(くず)」がよいとのことでした。

葛は荒れた腸をコーティングしてくれるそうで、いつもの食事に混ぜて与えることで腸の荒れからくる皮膚トラブルを軽減してくれる養生食になるそうです。

葛は栄養価が高いので、例えばプチ断食中に、ぬるま湯に葛を溶かした葛湯や、ペースト状にした葛練りを与えるのもおすすめです。

片栗粉と似ていますが違うものですから、選ぶ時には必ず葛100%のものを選ぶようにしてくださいね。

 

具体的な腸の荒れの改善策
⑤腸内細菌のバランスをよくする

 

腸は栄養を吸収するだけでなく、ホルモンの分泌や免疫の活性化など様々な働きをしています。

それらが正常に働くようにすることももちろん皮膚トラブルに役立ちます。

 

そのためには腸内細菌をより良いバランスに保つことが大切なので、乳酸菌、発酵食品、食物繊維の多いお芋や根菜、オリゴ糖など、腸内細菌のために良いものを加えてみるのもお勧めです。

サプリメントも腸内環境をよくするためのものがいろいろありますのでサポートとして取り入れてみるのもいいと思います。

BSKでも、おなかのためのサプリには力を入れていますので安心して与えられるものを取り揃えています。

腸内の細菌バランスは固有のものなので、どんなものが功を奏するか個体差をふまえて数種類取り揃えてますので、ご興味のある方はお試しになってみてくださいね。

 




皮膚トラブル対策は飼い主にできることがいっぱいある

 

皮膚トラブルは獣医さんに任せきりにしなくてはならない病気ではなく、飼い主さんにしか取り組めない日々のケアがたくさんあります。

だからこそ、大変な時もありますが、大切な愛犬のために何もしてあげられることがないような病気にかかってしまう事はもっとつらいことです。

今回は、テーマが腸の荒れということで主に食事について取り上げましたが、皮膚トラブルの軽減のためには「運動」も同じくらい大切な要素になります。

 

その辺りもまたの機会に詳しくご紹介したいと思っています。

 

こちらの記事に運動と自然との触れ合いについて書きましたので、合わせて読んでみてください。

dogbsk.hatenablog.com