間違っていませんか?上手に『引っ張りっこ』するためのコツ
愛犬との絆を深めるためにもっとも有効なことは、一緒に遊ぶことです。
「飼い主と遊ぶのは楽しい!」という気持ちが、飼い主への注目・関心を生み、アイコンタクト(目を合わせて集中する)ができるようになり、それが基本のトレーニングの土台部分を作ることになります。
今回は本格的なトレーニングに入る前の子犬の頃から楽しめる「引っ張りっこ」を楽しく、上手にする方法をお伝えします。
犬にとって、引っ張りっこはとても楽しい遊びですが、楽しく遊ぶためにはちょっとしたコツがあります。
オモチャは犬に取らせてあげる
「引っ張りっこでは、人間の方が強いことを示すために犬におもちゃを取らせてはダメで、人間が取り上げること」という方法を信じている人も多いようですが、実はこれはNGパターンです。
特に子犬に対しては、少し引っ張りあったらパッと手を放し、子犬にオモチャを取らせてあげてください。
すぐに「もっとやろう!」と誘ってくるように仕向けるために、またオモチャの端をつかんで引っ張り合いをして、またパッと放して、を繰り返します。
この時、飼い主は少し下がりながら「おいで、おいで」と声をかけたりして、もっと遊びたくてオモチャを咥えながら続きをやろうと持ってくる気持ちを促すのがコツです。
これが「来い」の下地作りにもなります。
こうしてわざと勝たせてあげながら、楽しく引っ張り合いっこをすることで、子犬に自信を持たせ、『飼い主と遊ぶのはすごく楽しい!』という心を芽生えさせていくのです。
BSKのトレーニングでも、最初はこうした遊びから始めて、人と関わることの楽しさを体感させていき、徐々に基本のトレーニングへとステップアップしていきます。
最初は緊張気味のワンちゃんたちも、次第に遊ぶことが楽しくなってきてイキイキとしてきます。
止め時は、犬が飽きてしまう前、もうちょっと遊びたいなという頃を見計らって楽しく遊びを終わらせます。
遊びの後はとても飼い主に集中している状態なので、基本のトレーニングのコマンドにも反応しやすく、遊びの延長のように楽しく学ぶ子に育っていきますよ!
子犬に必要な自信
自信を持たせるというのは、人間よりも上という強さに対する自信ではなく、好奇心を引き出す、物おじしない心を育むという意味合いです。
あまりに落ち着きがなさすぎる子も育てにくいと思われがちですが、育て方次第で落ち着かせることは可能です。
でも、おとなしく臆病で物おじする子、好奇心が少ない子は『シャイ』と言われ、トレーニングが入りにくく、人と密接な関係を築く素養に欠けるので最も避けた方がよい性格と言われています。
子犬の頃からの遊び方次第で、シャイさを助長させずに人と楽しく関わることができる子に育てていくことができます。
手に噛みついてくる時の対処
引っ張りっこをしていると興奮して手に噛みついてくるなど甘噛みの問題にお悩みの方もいると思います。
噛んだ時に言葉で叱っても、まだ生まれて数か月では言葉でいわれてもよくわからない場合がほとんどです。
まず物理的にオモチャが小さすぎるようでしたら、少し長さがあるものを使うことも解決法です。
あとはやはり遊び方の問題で、だいたいの場合子犬にオモチャを渡していないことが原因です。
子犬は興奮して楽しいので、ひらひらしているものがオモチャか手かの判断がつかない状態にあるかもしれませんし、勝たせてもらえないから手に噛みついてくるのかもしれません。
ちょっとグイグイしたらパッと手を放し、引っ張ってほしくて持ってきたらまたグイグイして手を放してと、噛まれないように遊び方を工夫しタイミングを見計らうことをやってみてください。
愛犬との関係作りの基礎作りのために
基本のトレーニング(スワレやマテ、フセ、来いなど)は、それができればお利口な犬と太鼓判を押されることが目的なのではなく、飼い主と犬との関係性を良くし、絆を深めることが一番大切なことなのです。
毎日一緒に楽しく取り組むことによって、どんどん心の距離が近づいていく感覚を、ぜひ多くの愛犬家の皆さんに感じていただきたいと思います。
そのためにも、ぜひ引っ張りっこなど一緒に楽しく遊ぶ時間を日々の暮らしの中に取り入れてみてくださいね。