愛犬が変わるたった一つの方法

あなたが変われば愛犬が変わる。BSKが綴る「飼い主さん矯正マニュアル」

【よくある質問】フードにトッピングしたらフードだけでは食べなくなりませんか?

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フードにトッピングをしたらトッピングなしでは食べなくなってしまわないかと少し心配です。

 

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トッピングしなくても食べるかもしれないし、トッピングなしだと食べてくれなくなるかもしれません。それはやってみないとわかりません。

もしもの事を考えると躊躇してしまう気持ちもわかりますが、食べなくなったとしたら何が問題なのか、食べなかった場合どうすればいいのかをしっかり理解することでその不安はきっと軽減されると思います。

今回は心配や不安の中身を整理しながら具体的な対処法を考えてみたいと思います。

何が不安なのかを明確にしてみましょう

まずはあなたが何について不安に思っているのか、何が問題だと捉えているかについて整理してみましょう。

ライフスタイル的にいつでも作ってあげられるわけじゃないからフードだけでも食べてくれないと困るという方は多いかもしれません。

その場合、毎回しっかり食べなくなると体に悪い、栄養不足になってしまうのではないかなど、まずは体のことが心配ですよね。

またはお行儀・しつけの面で、選り好みや好き嫌いといった悪い癖がついてしまうのではないかと心配されている方もいると思います。

すれ違うお互いの「当たり前」

ではなぜ、このような不安や心配が起こるかというと、私たち愛犬家が当たり前のように考えていることとしてこの2つがあるからではないでしょうか。

  • 犬にはドッグフーを与えるのが最適。栄養バランスに最も優れている
  • 成犬の食事は1日2回

でもこれは犬たちにとっては実は当たり前でないのです。 

動物にとっては不規則が当たり前

自然下の動物たちは、1日の食事回数は特に決めず、お腹が空いて食べようとする時に餌場に移動したり狩りをしたりしています。

食糧の調達と消化吸収にはエネルギーがたくさん使われますが、空腹時には体の修復・治癒にエネルギーが使われます。

そのため、食べることと同じくらい空腹の時間もとても大切です。

基本的にいつでも食事にありつけるとは限らないことから、体の仕組みとして飢えに対する危機管理体制が整備されています。

例えば足りない栄養素があれば足りているものを変換させて補填する機能などです。

よほど長期にわたり量・質ともに不足しなければ健康を害するほどの栄養不足にさせることはできず、仮になったとしてもまた十分に食べられるようになればすぐに回復します。

自然の動物にとっては不規則な食事が当たり前、自然界では皆がそのようなサイクルで生き、調和が保たれています。

規則正しい食生活が負担になる側面も

このようなことから、一般家庭での飼育環境でときおりフードを食べない時もあるというくらいでは、健康的な問題はおきないと考えていいと思います。 

むしろ飼育下の動物たちは食糧を調達するために動くこともせず、人間が良かれと思って作った栄養バランスに優れ消化吸収も良く加工されたフードを1日2回必ず与えられるわけですから、逆に肥満やストレス、胃腸が休めないことによる自然治癒力の低下など病気につながる健康問題が起きてしまっているという側面もあるのです。 

ドッグフードは最高の食事?!

トッピングなしでフードを食べなくなったら困るという心理の中には、ドッグフードが最も栄養バランスが優れていて愛犬にとって最良、手作り食は栄養バランスが劣るという認識もあると思います。

でも、ドッグフードは犬たちのためによく考えて作られたものではありますが、ドッグフードはあくまで加工食品です。

人間が割り出した犬にとって必要な栄養素をバランスよく配合した製品で、人間の食品で例えればバランス栄養食とうたわれているシリアルバーやゼリー状の飲料などと近いのではないでしょうか?

毎食ドッグフードだけで生涯を終える犬もたくさんいますが、たまにお野菜やお肉などのトッピングがされていたり、手作りごはんがもらえたりしたら喜ぶ子も多いと思います。

手作り食がドッグフードよりも栄養面で劣っているということはありません。

それぞれにメリット・デメリットがあることを正しく理解しておくと不安も少なくなると思います。

トッピングなしでは食べなくなった場合どうするか?

では最後に、トッピングをしてみたらフードだけでは食べなくなってしまったらどうしたらいいかを考えてみたいと思います。

すぐに食べなければ食器を下げてしまう

トッピングに味をしめてフードだけですぐ食べない場合、しばらく置いて食べない様子なら食器を下げてしまいましょう。

具合が悪いわけではないのに食べないということは、食べなくても大丈夫だということでもあります。

お腹が空いたらまた食べるので、またフードだけの日はちゃんと戻ってきます。

そんなことをしたら不規則になってしまわないかと思うかもしれませんが、そもそも不規則が当たり前の体を持った犬たちにとって、1回や2回食事抜きだとしても飼い主さんが考えるほどの問題ではありません。

 

トッピングを定番化する

トッピングをすることはそれほど苦ではないという場合は、愛犬も喜び、健康面でもメリットのあるトッピングを本格的に取り入れてみるのもいいと思います。

ドッグフードをベースにすれば、手作り食の知識がなくても栄養バランス面での心配をする必要はありません。

新鮮で安全性の高い食材をトッピングに使えば、摂取水分量が増えて体のめぐりがよくなるという健康面でのメリットが期待できます。

 

このように選択肢はシンプルに2つしかなく、いつでも途中で変えることができますので、実際には思ったほど困った問題ではないという捉え方もできます。

犬たちは体の声に忠実

私たち人間も、美味しいものの方が食欲も増しますし、ちょっと胃腸が疲れた時には食べたくないと思う日も時にはあります。

美味しいからと言ってそればかり食べないようにするとか、お腹が空いていない、食べたくないという時でも無理して食べてしまうというのは、頭(知識)で善し悪しを判断する人間にはよくあることです。

でも、犬たちには栄養が偏るから好き嫌いをしないとか、1日2回食べなくては健康に良くないという概念はありません。

実際にその必要はないと体はわかっているので、食べたくなければ素直に体の声に従って食べない方を選択します。

 

問題と感じた時点で問題になる

このような違いはどちらが正しいというものではありませんが、違うということを理解することはとても大切なことです。

愛犬の悩みとしてよく挙げられているほとんどの問題行動は、お互いが思う「当たり前」の違いから起きていると言っても過言ではありません。

飼い主さんが違いを認識せず問題視してしまうと困った悩み事や心配の種になってしまうのです。

私たち人間が犬たちと種の違いを乗り越えて共同生活を楽しむためには、犬たちにとっての当たり前を理解してお互いの違いを認めた上で、どの程度歩み寄ることが最善なのかそのバランスを見計らう必要があると思います。

もちろん健康のためにある程度の管理は必要ではありますが、「食べない」という選択を尊重することも時には必要かもしれないという認識があれば、不安や心配も少しは軽くなるのではないでしょうか。

 

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