愛犬が変わるたった一つの方法

あなたが変われば愛犬が変わる。BSKが綴る「飼い主さん矯正マニュアル」

科学で証明!トレー二ングが愛犬の健康に良い理由とは?

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 愛犬のしつけについて、皆さんはどのように捉えていますか?

「オスワリ」「マテ」「来い」などは、芸を仕込んで人間が喜ぶだけのものではなく、私たちと犬たちが共に暮らしやすくなるためのマナーとして、日常で活用していくことが大切です。

例えば、おとなしくしていなければならない場面できちんと座って待っていられたら助かりますよね?

そのために日々の練習「トレーニング」が必要となってきます。

 

今回は「トレーニング」によって得られる健康面への影響についての研究が記事になっていたので皆さんと共有したいと思います。

ネズミに運転を覚えさせるトレーニングの研究

簡単にまとめると、経験や挑戦が脳に与える影響、閉鎖的空間と自然で豊かな環境下での違いを調べる研究として、ネズミに車の運転を覚えさせるトレーニングを実施。

結果、豊かな環境で暮らすネズミの方が能力が高く、新たな技能を習得したことへの満足感を得てストレス値も低いことから、行動が神経化学に変化をもたらす可能性があるという研究結果が発表されました。

※ニュース記事のため、一定期間でリンク先が消えてしまう事もあるので文面は下記に転載させていただきました。その下にブログ記事の続きがあります。

 

www.afpbb.com

 

動画:ネズミが車の運転を習得、ストレス軽減効果も 米研究

【10月24日 AFP】カラフルなシリアル「フルーツループ(Froot Loops)」を褒美として与えることで、ネズミに「車の運転」を習得させることに成功したとする研究結果が発表された。小さな車の運転を覚えたネズミには、ストレスの軽減がみられたという。

  米バージニア州にあるリッチモンド大学(University of Richmond)のケリー・ランバート(Kelly Lambert)氏は23日、AFPに対し、経験や挑戦によって脳の神経系がどのように変化するかという「神経可塑性」に長年興味があったと説明。特に、研究室の閉鎖空間で飼育されているネズミと、より自然に近づけた環境(豊かな環境)で飼育されているネズミの行動能力の違いを探求したいと考えていたことを明かした。

  ランバート氏の研究チームは、ロボットカー製作キットを改造したミニカーを作成。透明なプラスチック製の食品容器とアルミ板を用いた「運転席」を取り付け、前方の左側、中央、右側にそれぞれ水平に銅線を渡した。

  ネズミが運転席のアルミ板の「床」に乗り、銅線に触れると電気回路がつながって、ネズミの「選んだ」方向に車が動く仕組みだ。

  実験では、縦150センチ、横60センチのプレキシガラス製の「運動場」内で数か月にわたり、ネズミ17匹に車の運転を学習させた。その結果、ネズミは車を前進させたり、左右に進行方向を変えたりといった複雑な操作を覚えることが可能だと確認できた。しかも「豊かな環境」のネズミたちは、研究室に閉じ込められたネズミよりも「驚くほど」ずっと運転がうまかったという。

  さらに研究チームは、運転訓練後にネズミの排せつ物を採取し、ストレスを感じたときに分泌されるホルモンのコルチコステロン(CORT) や、抗ストレスホルモンのデヒドロエピアンドロステロン(DHEA)などの数値を測定した。

  すると、訓練を受けたネズミ全てにDHEAの上昇がみられ、よりリラックスした状態にあることが分かった。これは、新たな技能を習得したことへの満足感に関係していると考えられ、人間で言えば「自己効力感」や「主体性」に相当するという。

  また、遠隔操作されたミニカーに乗せられただけのネズミに比べて、自主的に運転したネズミの方が高いDHEA量が確認され、ストレス度合いが低いことも分かった。

  ランバート氏はこの研究について、ネズミの脳が高度に発達していることを改めて示したのみならず、薬剤を用いない精神疾患治療の開発に役立つかもしれないと指摘。「現在、統合失調症やうつを完治させることはできない」とした上で、「さまざまな動物モデルや異なる種類のタスクについて研究し、行動が神経化学に変化をもたらす可能性があるという事実を尊重する必要があると思う」と述べた。

  映像はリッチモンド大学が撮影、24日提供。撮影日不明。 

(c)AFPBB News

 

行動学は「科学」 

動物の行動学については科学として様々な研究がされています。

科学ですから<きっかけ→行動→結果>という明確な図式があります。

「学習の機会を与え行動を増やす」ということは心身の健康にとても良い影響を与えることがわかっているので、近年では動物福祉の観点からも重要性が認められています。

海外の動物園などでは健康管理の中でも最もウエイトを占める取り組みとして実践されつつあり、食事管理などと同じレベルで年々その重要性が高まってきているといいます。

また、アニマルシェルターの運営の中でもトレーニングは積極的に取り入れられ、心の健康を取り戻すとともに新しい飼い主の元で暮らしやすい犬として譲渡される取り組みにも活かされています。

 

行動の4つのルール

もちろん私たちの大切な愛犬たちの心身の健康にもトレーニングはとても役立ちます。

正しく取り入れられるように、行動学の簡単な基本を学んでいきましょう。

行動学では、大きく4つの行動のルールがあります。

①行動の後に良いことがあると行動が増える

②行動の後に嫌なことが消えると行動が増える

③行動の後に嫌なことがあると行動が減る

④行動の後に良いことが消えると行動が減る

 

犬との暮らしの中に限らず自分自身が行動するときにも当てはめてみると、なるほどと思うことも多いと思いますが、このように動物の行動には明確なルールが存在しています。

 

レーニングを心身の健康に役立てるためには?

心身の健康に役立つトレーニングというのは、単に芸を仕込めばいいということではありません。

心身の健康という観点で見ると、このネズミの例にもあるように「行動を増やす」ということが重要となり、トレーニングにおいては「①行動の後に良いことがあると行動が増える」を意識することがとても大切です。

良い行動に対しての報酬があれば次の行動への意欲となり強化されていきます。

やり取りを繰り返すごとに必ず同じことが起これば、それは信頼となって積み重なっていくのです。

 

行動を減らすしつけは信頼を失いかねない

レーニングにおいては③や④のように「行動を減らすこと」をしてしまうことがよくあります。

好ましくない行動を無くすために嫌な事(罰)を与えてやめさせるしつけ法は、犬の飼育本や飼い主さん同士のネットの書き込みの中などにもいくつも見受けられ、時折テレビなどのメディアでも凄腕トレーナーによる「一発解消法」が取り上げられることがあります。

こうした方法の多くは、人間側の都合に合わせるために手っ取り早いのですが、動物たちの意欲や満足感を奪ってしまう事になりかねません。

信頼を積み重ねることにもつながらずコミュニケーションという意味でも良い方法とは言えません。

こうしたしつけ方法は知らず知らずのうちにやってしまいがちで自分でも気づかない場合があります

見分ける方法として次のことを目安にしてみてください

①は自分自身も犬も喜び楽しい

③や④は自分は助かったけど、犬は納得していない、満足していない

 

ただ目の前の問題がなくなれば解決としてしまうのではなく、動物たちに必要な愛情のひとつとしてトレーニングを取り入れていきたいものですね。

 

 


 

BSKでは、よい行動を認めて褒めながら伸ばしていくコミュニケーション重視のトレーニングを推奨し、「BSK流健康の4つの柱」として次の4つを理念としています。

 

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良い食事

十分な運動

自然とのふれあい

家族の絆(トレーニング)