犬同士のご挨拶は社会化のために必要ってホント?
早朝や夕方の散歩時間に公園に出かけると、出会う犬同士ご挨拶させるシーンにいくつも出くわします。
「良い犬に育てるには社会化が重要」という説から、いろんな犬と挨拶させるのがいいという事になって広がった背景があるようです。
でも、本当は犬同士のご挨拶は必要ありません。
他の犬とではなく、飼い主との関係性をしっかり作ることが最も大切な社会性を育みます。
海外では犬同士のご挨拶はしない?!
動物愛護の先進国の欧米では、お散歩中に犬同士のご挨拶を習慣にしている様子はありません。
散歩中の犬にわざわざ声をかけて気を引いたりする人もほとんどいません。
他人の愛犬に 声をかけてはしゃがせたり、飛びつかせたりを容認することは、飼い主の教育方針や犬との関係性を尊重していないことになるようです。
社会全体がそのような意識をもっている様子が伺え、結果的に社会全体でしつけに取り組んでいる形になり、高いレベルに引き上げられているのではと感じます。
その結果、多くの店や公共施設や乗り物にも同行でき、犬たちは市民権を得ることができているのです。
小さな子どもよりも犬の方が迷惑をかけない存在として認知されている国もあると聞きます。
犬たちの顔つきや佇まいも、真の対等から生まれる自立感が漂っていているのが印象的です。
日本は愛犬のしつけは発展途上
日本では、ただ庭に繋いでいるだけでよかった頃から一変して、室内飼いの犬が増えて問題行動対策のためにしつけのニーズが高まりました。
主に欧米からしつけの情報が輸入されたわけですが、日本人の気質にはなかなか難しいところもあったのでしょうか、まだまだ発展途上という感じがあります。
今ではトレーニングに取り組んでいる人も増え、散歩中に他の犬を近づけないでほしいと感じている人も増えています。
でもなかなか理解されずに徹底することが難しいという声もよく聞きます。
お散歩中のご挨拶だけでなく、お散歩中にオヤツを配り歩く人もいて、お断りするのも人間関係がぎくしゃくしそうで困惑しているという人もいるようです。
イエロードッグプロジェクトとは
2012年スウェーデンが発祥のイエローリボンプロジェクトが日本でもたびたび話題になっています。
リードに黄色いリボンやバンダナなどの目印ををつけている犬には、トレーニングや病気などの事情を配慮して声をかけたり他の犬を近づけたりしないようにという意思表示となるというもので、このプロジェクトは世界中に広まりつつあります。
このようなことが知られることは第一歩となるかと思いますが、黄色いリボンをつけていてもいなくても、基本的には犬同士のご挨拶はしないように心がけていきたいものです。
ご挨拶はまず飼い主同士がするもの
トレーニングに対する意識はさまざまで、黄色いリボンをつけていなくても前出したように近づけてほしくない人もいます。
トレーニングに取り組んでいる人は、気を抜くと犬を近づけられてしまうので、無視して通り過ぎるようにしていて、感じ悪い人だと思われていそうだといいます。
たしかに犬同士でご挨拶をさせる人を見ていると、飼い主同士の挨拶もしないままにいきなり犬同士を近づけてしまう人も多いように感じます。
犬ではなく飼い主同士がすれ違う時に挨拶をし合うなどの交流は気持ちのいいものですから、犬同士のご挨拶は必要ないという認識がもっと広まっていくといいですね。
日本各地で愛犬同士のご挨拶は必要ないという認識が広がっていくことを願います。