愛犬が変わるたった一つの方法

あなたが変われば愛犬が変わる。BSKが綴る「飼い主さん矯正マニュアル」

アレルギー・アトピー?!暗中模索が続く愛犬の皮膚トラブルの突破口を見つける方法

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人間と暮らしている犬たちが、どうも春先~6月くらいの間に皮膚トラブルがひどくなるというお話をよく聞きます。

皮膚が赤く腫れてしまったり、痒がって傷になって化膿してしまったり、見ているだけでもつらくなってしまいますよね。

 

今回は、免疫力と症状についてを整理してみます。

今愛犬のためにしている皮膚トラブル対策にどんな意味があるのかを理解し、整理できるようになると、これからすべきことも見極めやすくなると思います。

 

愛犬の皮膚トラブルの対処、困っていませんか?

病院でもらった薬も付ければその時だけは治っても、止めたらまたひどくなる。

シャンプーを変えたりしても効果はその時だけ。

低アレルギーのフードを勧められてみたものの、市販のフードや療養食は添加物なども気になるし・・・

 

愛犬の皮膚トラブルの対処の悩みは尽きることなく、できれば健康的にこうした悩みを根本からなくす方法はないものかと頭を抱えている飼い主さんも多いのではないでしょうか。

 

赤くなる、腫れる、熱をもつ、痒くなる

愛犬の皮膚トラブルに悩まされていると、これらの症状は不快なもので今すぐなくしてしまいたいものだと思いますが、これらの症状も意味があるのです。

 

免疫力を高めるとはどういうことか?

ここからするお話は犬と人間に共通することです。

ご自身の健康にも関係のあるお話としても学べる要素があると思います。

 

まず、病気についてものすごく大切な基本知識となる「免疫力」と「症状」のお話をします。

「健康のために免疫力を上げよう」とよく言われていますね。

具体的には、血流をよくしたり、冷え性を改善し平熱を高めたり、栄養をしっかり摂ったりすると免疫力が上がると言われています。

 

ご存知の方も多いと思いますが、免疫機能とは主に血液中の白血球が異物(ウィルスや細菌など)を攻撃して退治することをいいます。

つまり免疫力を上げよう=白血球が働きやすい環境作りをしようということになります。

 

病状が出るのは体が弱っているからではない

私たちが普段何らかの対処しなければならない「病気」と呼んでいるものは、風邪からガンに至るまでのほとんどが、赤くなる、腫れる、熱をもつ、痒くなるなどの炎症反応のことを指しています。

でも、その炎症反応こそが白血球が異物と戦っている時に起こる免疫反応でもあるのです。

症状が出る=体の免疫が働いている

ということで、症状が出るのは体にとってはごく正常な“生き残るための対処”なのです。

 

なんとなく「弱っているから症状が出る」と感じているかもしれませんが、むしろ免疫機能が正常だからこそ症状が出せるのです。

例えば、肺炎は高齢者の死因として多いですが、高熱など目に見える症状が出にくく気付いた時には手遅れになってしまうこと、若いころのように炎症反応の勢いに体力がついていけないことが命を落とすことに関係しているといいます。

 

私たちが健康のために免疫力を上げたいと思ってしている取り組みは、免疫反応(症状)を最大限に活性化することになりますが、一方でそれを病気と呼んでなくしてしまいたいとも思っています。

なんだかアクセルを踏みながらブレーキを踏んでいるような矛盾ですね。

 

薬の役割と限界を知る

今では、病院にかかることは薬を処方してもらって病気を治してもらうと考えている人がほとんどかもしれません。

よく使われている鎮痛剤や消炎剤は「痛みの元をブロック&伝達をブロック」などといわれていますが、これは白血球を働きにくくすることで症状を抑える作用のことです。

しかし、これまでのお話で分かるように、異物が入ってきているのに症状をなくす=白血球を働きを鈍らせてしまったら、体内は異物の無法地帯になってしまいます。

 

薬を使っているうちは症状が治まっているけれど、薬を使うのを止めたら症状がまた出てしまうのは、まさにまだ体内に異物が残留している状態で、薬による制限を解かれて再び白血球が働き出すからです。

こういう意味でいうと、薬は病気を治しているわけではないのです。

 

炎症を抑えるための薬を使い続けることは、血流が悪くなったり、体が冷えたりすることにもつながり、他の不調を引き起こす原因になることもあります。

新たに出た症状を抑えるためにまた薬を処方されて、どんどん薬の種類が増えていくこともあります。

 

世紀の発明 抗生物質の難点

本来であれば白血球の働きを抑えるのではなく、症状を起こす元の異物を無くすことが本来の病気の治癒といえます。

その点で、病気の原因となる細菌を殺すために作られた「抗生物質」の発明は科学的にも大きな進歩といわれていて医学にも大きな恩恵をもたらしました。

今ではすっかり一般的な薬としておなじみですが、原因となっている細菌だけでなく有用な常在菌まで殺菌してしまうことから、さまざまな副作用を起こすことも知られています。

腸内の菌バランスが崩れることによって逆に生死にかかわる重篤な状態を引き起こすこともあります。

身近だからと言って万人に安全な薬というわけではありません。

 

病気を治すとはどういうことか

具合の悪い動物たちを見ていると、食べることもやめ、とにかく動かずに寝ています。体力を温存し、食べ物を消化吸収するエネルギーも使わずに、ひたすらに免疫による治癒反応にすべての力を向けられるようにして、治ろうとする体の力に身を任せているようです。

野生下では栄養状態が悪かったり、厳しい気候が続いていたり、または幼体や老体などにより、体力がないことが原因で炎症反応が強すぎたり長引いたりすることが命取りになることもありますが、何もせずに免疫が異物を排除するのを待つことが、唯一治すことと言えるのかもしれません。 

 

薬との付き合い方を考える

 

野生ではない私たちや愛玩動物たちについては、あまりにひどい症状なのに薬も使わずにひたすら耐えるというのも現実的ではありません。

心身が疲弊することで体力が落ちて逆に免疫力が落ちてしまう事もあり、そのようなことがないように文明が発達し薬は誕生したのです。

薬の役割を整理して理解することで、薬は体に害なので使わない方が良いという極論に走るのではなく、薬とうまく付き合うことを考えていきましょう。

 

ただ、皮膚トラブルによるかゆみや皮膚の赤み、湿疹、脱毛などは非常につらいながらも、命に係わる症状を起こす病気ではありません。

薬で根治できるわけではないにもかかわらず、長期にわたって飲用・塗布をするケースも多く、正常な働きを長期間阻害することにより、血流が悪くなる・冷えなど慢性的な体質悪化をもたらし、健康に影響を与えてしまう事もあります。

 

飼い主にしかできないことが実はたくさんある

獣医さんに頼りきりで見ているだけなんてつらい、かわいい愛犬のために自分にできることを何でもしてあげたいと思っていた飼い主さんもきっと多いと思いますが、飼い主にしかできないことも実は結構あるものです。

愛犬の皮膚トラブルをなくすことを考える時には、辛い症状を薬で緩和するだけではなく、さまざまな視点で取り組む必要があります。

愛犬の皮膚トラブルに悩まされて暗中模索の中にいる飼い主さんは、今している対策はどれに当てはまり、どんな意味があるのかをまずは整理してみるとよいと思います。

  • 症状を抑えるための対策
  • 異物をこれ以上体内に入れないための対策
  • 入ってしまった異物を退治するための対策
  • 免疫を高めたり体力作りをするための対策

 

こうして整理すると獣医さんにできることの方が実はずっと少ないのです。

一つ一つの意味を考えることで、足りない要素やどのようにバランスを取っていくのが愛犬の今の状態に最善かなどを見極めるヒントになり、すべきことも見えてくるかもしれません。

 

 

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