愛犬が変わるたった一つの方法

あなたが変われば愛犬が変わる。BSKが綴る「飼い主さん矯正マニュアル」

去勢避妊手術後の肥満が気になる 愛犬のダイエットについて

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愛犬の去勢避妊手術を済ませた後、多くの方が気になるのが愛犬の肥満。

愛犬が手術後に食欲が増して体重増加が心配だというご相談をよくいただきます。

今回はこの解決方法を様々な方向からみていきますので、飼い主さんがやらなければならないことをあらためて考えていただければと思います。

愛犬には自由がない

まずお伝えしたいこととして、今回のお話が飼い主さんと愛犬とが共にダイエットに取り組むという意識を持ち、愛犬を思いやるきっかけとなればと思っています。

人間ならば食べ過ぎ飲み過ぎなど自分の不摂生によって太ってしまい、ダイエット中にどうしても我慢ができずに余計に食べてしまう、コンビニでお菓子を買ってしまう、加えて運動習慣もまったくない・・・というように、特殊な場合を除き肥満は自業自得といえるでしょう。

しかし、犬たちは飼い主に与えられたものを食べるしかありませんし、もっと体を動かしたいと思っても飼い主が外に連れ出さない限りは思いっきり運動することもできません。

飼い主の落ち度によって太ってしまい、そのせいで過酷な減量を強いられる犬たち。

愛犬は太ることも痩せることも飼い主次第であることをどうか忘れないでいただきたいと思います。

愛犬の避妊去勢手術後の体の変化

程度に差はありますが、手術によって元々あった器官を取ってしまう事によってホルモンのバランスや行動が変わり、代謝にも変化があります。

去勢避妊手術をした犬たちは食欲が増すと体感している方も多いと思いますが、一度太ると痩せにくくなる傾向にあるようです。

生殖活動に関わる行動への関心が低くなった結果、攻撃性が弱まる・しつけがしやすくなる、また生殖器系の疾患にかかることがなくなるなど去勢避妊手術によるメリットはよく伝えられますが、肥満は万病の元ということから痩せにくくなるということは大きなデメリットですから術後の健康管理をしっかりして何とか食い止めたいものです。

ダイエットの定番は食事量を減らすこと

飼い主の手を煩わせることがなく最も手軽なダイエット法として、まずは去勢避妊手術をした愛犬には食事量を減らす・またはカロリーが低いフードを与えるという手段が取られます。

この時に大切なことは愛犬にとって適切な量を与えるということですからしっかりおさらいをしておきましょう。

要約しますとただ痩せていれば良いというわけではなく、ベスト体型がどのようなものかを理解してそれを目指して食事量をフレキシブルに変化させる必要があるという考え方でした。

去勢避妊した後はこれまでと代謝が変わる傾向があるので、給与量を見直すタイミング逃さないようにするのがポイントです。

例えば去勢避妊手術後以外でも、冬の代謝が落ちている時期に愛犬を太らせてしまい、そのまま戻らずに徐々に肥満にしてしまうという飼い主さんも多くいます。

いつも同じ量を計量して与えているから安心という考えは改め、こまめな給与量の見直しを欠かさないようにしましょう。

お腹が空いた時に犬が取る行動

空腹になるとイライラし食べ物のことばかり考えてしまい、ついドカ食いに走りリバウンドしてしまう・・・ダイエットを経験したことがある人は想像がつくと思いますが、食事制限というのは強い意志がなければ成功させることが難しいです。

これは愛犬にとっても同じことがいえますが、なぜ食事制限というのはそんなにもつらいことなのでしょうか?

ダイエットを考える時、食事はカロリー摂取であるかのように捉えてしまいがちになりますが食事量が減れば摂取する栄養も少なくなるということです。

極端に摂取栄養が減れば体内の様々な器官を正常に働かせることができなくなってしまいます。

満腹であればゆったりと眠り、空腹になると生きるために食事を探すのが動物の本能ですから、それまでに比べて食べものが少なくなれば、愛犬は生存のために食べ物に執着するようになります。

部屋を荒らしたり、ゴミ漁りをするようになったり、拾い食いや略奪をするなど飼い主にとっての「問題行動」が起こることもあります。

ダイエットによる負の連鎖

こうした行動は飼い主にとっては問題行動でも、犬たちにとってはコントロールが難しいある意味生きるために仕方がないことであったりします。

日ごろ適切なトレーニングによる信頼関係を築けておらず信頼貯金が少ない場合は特に、こうした理不尽なことでたびたび叱られるようなことが続けば家族との関係も悪化してしまいます。

飼い主との関係悪化によるストレスは他の問題行動への連鎖や病気の種にもなりかねませんし、飼い主にとっても愛犬が癒しの対象から悩みの種になることは幸せなこととは言えません。

愛犬のダイエットで最も手軽で飼い主の手を煩わせることがないのが食事量を減らすということではありますが、これは愛犬の体にも精神にも大きな影響があり苦しみを与えることも承知しておく必要があります。

ダイエットのコツ

肥満を改善しにくいのは、すでに脂肪の蓄えがあるにもかかわらず足りないような錯覚が体や心に生じるところにあるように思います。

ダイエットを成功させるには、急激に給与量を減らして体に強い飢餓感を与えることを少なくしダイエットによる変化のストレスを緩やかにすることがコツです。

愛犬のダイエット 運動の重要性

愛犬のダイエットは食事量を適切な量にすること(カロリー摂取量の制限)と運動量を増やすこと(カロリーの消費)とを同時に取り組むことが大切です。

特に筋肉量の変化は健康管理においてとても重要ですので、体重だけでなく目視や触ることによる体型チェックもするようにしてください。

十分な運動によりカロリー消費がされ体重がキープできている、または筋肉量が増えたことにより体重が増えた場合は、むしろ健康的ですので給与量を減らす必要はなく、愛犬がひもじい思いをすることもなくなります。

現代犬は運動不足

大型犬に限らず小型犬であっても、本来の犬としての体がもっている運動能力を考えれば飼い主と毎日散歩で歩く程度では運動量が足りていないと考えた方がいいでしょう。

特に猟犬種(テリア含む)・牧羊犬種など体を動かす使役犬の歴史を持つ犬種は、運動欲求が強く身体能力のポテンシャルも高いため、大小関わらず人の歩くペースで毎日数十分歩くだけでは十分ではないと考えるべきです。

できれば自由運動や水泳など、体全体を思いっきり動かすような運動をこまめに取り入れることをしてみてください。

体を思いっきり使うことは、ダイエット効果や運動不足解消だけでなく、その他のさまざまな問題行動も驚くほど解決する場合があります。

大切な愛犬のために適切な健康管理を

人間よりも寿命が短く何倍ものスピードで生きている愛犬がどうしたら幸せでいられるかは飼い主さんに委ねられています。

去勢避妊手術はメリットも多く今では当たり前となっていますが、肥満も万病の元であり予防・改善する必要があります。

愛犬を迎える際には去勢避妊手術後に起こりえる弊害があることも知り、その後の愛犬の健康管理をいかに取り組むかについても家族で具体的によく話し合っておくことが大切です。

特に愛犬に十分な運動をさせることはフードの給与量を減らすことやダイエットフードに変えることに比べてずっと飼い主にとって負担が大きく時間も体力も削がれることです。

しかし愛犬を迎えて健康に育てるということはそれらも含めて責任を持つことであると言えるのではないでしょうか。

 

BSKでは愛犬の健康作りの4つの柱として

よい食事・十分な運動・自然とのふれあい・家族の絆 を挙げて、それらに基づく健康作りの提案とそのコンセプトに沿ったグッズ販売をしています。

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