愛犬のしつけ。「来い」はこう教える!レベルアップ法決定版
さて、前回愛犬のしつけの中でも最も重要なのは「来い」だというお話をしました。
今回はいよいよ実際に教え方、コツについてをお伝えしますね。
一番最優先したいしつけ「来い」はこう教える!
ただ名前を呼んで来ることを教えるだけの「おいで」と、どんな時も呼ばれたら飼い主の元に戻り横について座る「来い」。
これは教え方が全然違います。
ぜひこれを読んでいるみなさんも、「何をしているよりも飼い主さんのそばが一番いい!たくさん褒めてもらえるし!」と思ってもらえるような飼い主さんになってもらいたいので、正しい「来い」の教え方をお伝えしますね!
まずどんなトレーニングにも言える大事な心構えについて。
トレーニングのコツは失敗させないこと。
成功実績を積み上げることがトレーニングのコツです。
難易度が低いことから少しずつステップアップしていく、間違った行動をとらせないことを意識しましょう。
正しい「来い」のスタイル
犬に指示を出し誘導するときの一連の流れは以下の通りです。
①「来い」と呼びます。
②左隣に誘導し座らせます。
③できたら、座った姿勢のまま胸のあたりを優しくなでて心を込めて褒めてあげます。
④「よし!」で解除してフリーにしちょっとじゃれて遊んであげます。
飼い主が的確に指示を出せるかはものすごく重要で、指示→褒める→解除は、
どんなトレーニングにも使える基本ですから覚えておきましょう!
飼い主さんのところに来て、上手に言うことを聞けると触って褒めてもらえて、遊んでもらええるから楽しい!と、いうのを何度も繰り返し教えてあげるのです。
◆呼んだら来るだけではダメなの?
万が一の時に確保ができないで逃げられてしまうことがあるので、横に座るまで、さらに解除するまでそのままでいるように教えましょう。
なぜ横に座らせることが重要かというと、正面で向かい合わせよりも保定しやすいからです。
特に中~大型犬の場合は、正面に向かってこられると突き飛ばされてしまう危険もあるからです。
「来い」をレベルアップ ≪基本編≫
レベル1 室内で練習する
まずは家の中で、リードを使って練習します。
なぜリードを使うかというと、失敗させずに確実に正しい行動を促すためです。
来いと指示を出したら、リードを引いて自分の横に誘導して座らせて褒めます。
こうすることで最初から長い距離ではなく、室内で手に持ったリードが届く範囲という2m程度の短い距離から練習することができ、さらにリードで誘導することによって、呼んでも来たり来なかったりを防ぐことができます。
「できた!褒められた!」という成功体験を積み重ねることができるのです。
こうしたちょっとした工夫が、仕上がりに差を生みます。
短い距離で完璧にできるようになって来たら、ひもを長くする、リードなしでも精度を上げるとレベルアップしていきましょう。
レベル2 屋外で練習
お散歩の時も、同じようにして練習します。
リードをつけたまま少し地面の匂いを嗅いだり自由にさせてから、「来い」の①~④の一連の動作をやってみます。
家の中よりも、気が散るものが多いので少し難易度が上がりますが、繰り返し練習しましょう。
「来い」をレベルアップ≪応用編≫
前から他の犬が歩いてくるのが見えたときにもチャレンジ
他の犬がいることに気が付いて愛犬がそちらへ行こうとしたときに、すかさず「来い」と言って横に座らせます。
よしというまで横で座って待つことができたらよく褒めてあげましょう。
おもちゃなどの障害物があってもできるかチャレンジ
犬は基本的に何か気になるものを見つけると反射的に近くによって匂いを嗅ぐ性質があります。
でも制止してもやめられなければ、散歩中に口にしては危険なものを誤飲してしまう事もあるかもしれません。
おもちゃなどを使って、近くに注意を引くものがあったとしても飼い主の「来い」に反応して横に座る事ができるか練習してみましょう。
少し前を歩いてしまいがちの時にもチャレンジ
引っ張り癖のある子におすすめの練習です。
前を歩いていたら、呼び戻して横に座らせることを繰り返します。
飼い主さんに指示を出されることを気にし始めることで、引っ張り癖の矯正の意識づけにもなります。
こうした練習を重ねて、できるようになって来たらドッグランのような広い場所で他の犬などの誘惑の中でもでようになれば、もう「うちの子、来いができます!」と胸を張って言えるようになり、もしもの時に愛犬を危険から守ることができます。
とにかくトレーニングは根気です!
愛犬の基本のトレーニングはどれもそれほど難しい動作ではないにもかかわらず、完璧にできるように仕上がりにくいのは、愛犬ができるかよりも飼い主さんの根気があるかにかかっているからだと思います。
例えば、引っ張り癖のある子に対して何度も呼び戻して座らせる練習をしようとします。
すると、ちっとも前に進まないんですよ(笑)
20分で終わるはずの道中が倍以上の時間がかかります。
それでもやってみようと継続できる人はどれだけいるでしょうか。
そんな極限状態の中では愛犬も当然ダレてきていうことを聞かなくなったりもします。
それにイライラしてしまったり、負の感情が湧くこともあって、そこまでしてやる必要なんてないんじゃないかという気持ちが湧いてきたり。。。
たいていの場合、このように飼い主さんのトレーニングはムラが出やすいのでどうしても精度に欠けてしまうものなのです。
そこがプロのドッグトレーナーとの大きな違いと言えます。
でもそんな風に、いろんな想いを抱きながら愛犬と自分自身と向き合うことによって、愛犬を通して人は成長することができるのではないでしょうか。
これが犬と暮らす醍醐味だ思うのです。
愛犬をただの癒しの対象としてではなく、共に同じ目標に向かってチャレンジするパートナーと思えたら、もっと愛犬との暮らしが豊かなものになります。